空【難波麻人】
子供の頃はよく空を眺めていた。
サッカー試合前など、晴れ渡った空を眺めると、何故か集中出来るという癖みたいなのがあったのだ。
けれど、大人になるに連れその感覚は薄れて行き、今では空を見上げる事さえ少なくなり、たまに夕日なんか眺めてみても、胸を締め付けるような焦りの方が勝ってしまう。
昔に比べ、随分空との距離が遠くなったもんだ。
空は夢や希望の象徴で、きっと僕自身がそこから後ずさりをしてしまっているんだろう。
それでは駄目だ。
羽ばたく為に必要なのは翼なんかじゃなく、空なのだ。
いくら翼があっても、そこに空がなければ羽ばたく事さえ考えないだろう。
でもそこに空があれば、そこに思いを馳せていれば、翼なんか無くたってきっと羽ばたく事は出来るのだ。
もう一度空を見上げよう、自分が思ってるほど空は遠くない筈だから。
手を伸ばせば掴めそうなあの感覚を、僕等は死ぬまで忘れちゃいけないんだ。
で、ここで一瞬画面がホワイトアウトして、激しめの曲が掛かって、タイトル出て、曲終わった瞬間一気に暗転して、その暗転は、朝礼台に寝そべった透明感のある少女が、手の平で太陽隠して暗くなってる映像に繋がる感じかなぁ…。
あっ!いつの間にか映画のオープニングの話に変わってもうてたー。
0コメント