お正月【難波麻人】
子供の頃から『お正月』が好きではなかった。
街はガランと静まり返っていて、近所のお店はどこもシャッターが閉まっている。
きっと自分の好きなあの子も、今はこの街にいないんだろう…なんとなくそんな気がして、自分だけが世界に取り残されたような感覚になる。
1年が始まる希望に満ちた1日と言うより、僕の目に映るお正月は世界の終焉のような景色だった。
だから今でもお正月という響きには哀愁を感じてしまうし、お正月に海外に行く人はただ暖かな場所を目指すのではなく、そういったもの悲しさから逃れる為に行くのではないだろうかと思う事がある。
きっと僕だってお正月に海外に行ったら、哀愁や物悲しさなんて日本らしい感覚は吹き飛んで、ハイネケン片手に助走をつけて、金髪美女が待ってるプールにダイブしてるに違いないのである。
後、単純におせちが嫌いだ。
大人になったら分かると思ってたけど、結局今でも全然食べる物ないやんけ、おせちのなにを楽しむねん、当宿では2日までお夕食におせちをメインとした特別料理をご用意しておりますちゃうねん、いつもの普通の美味しいやつでいいねん、カニの甲羅のグラタンとか、と毎年思っている。
皆さんにとってのお正月はどんな日なんでしょうか。。
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